東北大学との共催シンポジウム
人間の安全保障 -恐怖からの自由、欠乏からの自由-
国連大学協力会では、2008年4月16日(水)、国連大学および東北大学との共催により、公開セミナー「人間の安全保障 -恐怖からの自由、欠乏からの自由-」を東北大学片平キャンパス内さくらホールで開催しました(後援:外務省及び文部科学省)。
従来、『安全保障』は、「国家間の問題」として論じられることが主でしたが、近年では、地域紛争やテロによる暴力、食料をはじめとした物的資源の不足、インフラの欠乏等、個人に対するさまざまな脅威から、国際社会がどのように連携して「人間を守るか」がクローズアップされています。
この共同セミナーでは、「人間の安全保障」をメインテーマとして、近年、特に論じられている貧困地帯で顕著な地域紛争やテロによる犯罪等の暴力的な恐怖に対する脅威と食料や物的資源、インフラ等の公的資源への物質的欠乏とそれらがもたらす脅威に対し、国際社会としてどのように対処するかを検討。国連大学のヴェセリン・ポポヴスキー学術審議官、リャン・ロフウェイ学術研究官が「平和構築」、「環境」の視点から安全保障を論じ、続いて東北大学教授陣が医学、農学、工学などそれぞれの専門分野から、人間の安全保障に対する取り組みについて提言を行いました。
基調講演、ショートスピーチ及びパネルディスカッションを通して、食料・農業、健康、環境、社会など多角的な視点から最新の問題及び解決策が提起され、これらの提言に対して、会場内から多くの質問が出るなど、活発な議論が繰り広げられ、本セミナーの模様は、地元(仙台)の有力紙にも大きく取り上げられました。
当日のプログラム
- 13:00-13:20開会挨拶
- 井上明久(東北大学総長)
コンラッド・オスターヴァルダー(国連大学学長)
吉川弘之(国連大学協力会理事長) - 13:20-14:20基調講演
- 「紛争の消滅:概念と国連の対策」
ヴェセリン・ポポヴスキー(国連大学学術審議官) - 「生態系の力を借りた安全保障」
リャン・ロウフェイ(国連大学学術研究官) - 14:20-16:10スピーチ
- 「東北大学ヒューマン・セキュリティ連携国際教育プログラムについて」
上原鳴夫 - 「ヒューマン・セキュリティと食料・農業」
米倉等(東北大学農学研究科教授) - 「ヒューマン・セキュリティと健康」
服部俊雄(東北大学医学系研究科教授) - 「ヒューマン・セキュリティと環境」
風間聡(東北大学環境科学研究科准教授) - 「ヒューマン・セキュリティとエネルギー」
中田俊彦(東北大学工学研究科教授) - 「ヒューマン・セキュリティと人権」
富永智津子(宮城学院女子大学教授) - 16:10-17:00パネルディスカッション
- 座長:上原鳴夫
- パネリスト:
ヴェセリン・ポポヴスキー、リャン・ロウフェイ、植木東北大学理事、米倉教授、服部教授、風間准教授、プシュパラール准教授