名古屋大学との共催シンポジウム
資源としての生物多様性を考える -COP10へ向けて-
国連大学協力会では2009年11月26日、国連大学、名古屋大学との共催により、シンポジウム「資源としての生物多様性を考える -COP10へ向けて-」を名古屋大学野依記念学術交流館で開催しました。
シンポジウムでは、国連大学の武内和彦副学長(UNU-ISP所長兼務)と国連大学高等研究所(UNU-IAS)のサム・ジョンストン上級研究員が基調講演を行った後、名古屋大学から多彩な専門分野の研究者が登壇して、それぞれ「資源としての生物多様性」に焦点をあてながらスピーチ。また、名古屋市の加藤正嗣環境局顧問からは、2010年に同市で開かれるCOP10の開催意義や準備状況等が報告されました。
生物多様性条約では、発展途上国の生物資源を先進国が活用して利益をあげた場合、発展途上国に利益を分配することをうたっています。パネルディスカッションでは、その具体的な手法について論じられるとともに、「人間と自然の関係」、「サステナビリティ」などについても活発な意見交換が行われました。
当日は研究者、学生、行政、NPO、一般市民等が多数来場。身近で理解しやすい話題の提供とともに、新しいテーマ・観点による議論が展開され、「生物多様性」「資源」「COP10」について再認識される機会となりました。
当日のプログラム
- 13:00開会挨拶
- 濱口道成(名古屋大学総長)
コンラッド・オスターヴァルダー(国連大学学長)
吉川弘之((財)国連大学協力会理事長) - 13:20基調講演
- 「人間・自然関係の再構築と国際SATOYAMAイニシアティブ」
武内和彦(国連大学副学長) - 13:50基調講演
- 「CBDにおけるABS-その経緯と現状」
サム・ジョンストン(国連大学高等研究所上級研究員) - 14:20スピーチ
- 「グローバル・サステナビリティと生物多様性」
井村秀文(名古屋大学大学院環境学研究科教授)
「生物多様性条約における生物遺伝資源の重要性と『国際的制度』」
渡邊幹彦(名古屋大学国際環境人材育成プログラム特任教授)
「保全遺伝学的アプローチによる生物遺伝資源の保全」
戸丸信弘(名古屋大学大学院生命農学研究科教授)
「大学における研究と生物多様性条約」
武田穣(名古屋大学産学官連携推進本部教授)
「COP10のあいち・なごや開催の意義 -開催計画の観点から」
加藤正嗣(名古屋市環境局顧問) - 16:00パネルディスカッション
- (司会:井村秀文)
- 17:00閉会挨拶
- 渡辺芳人(名古屋大学副総長)