ジュニアフェローシンポジウム2006

開発、環境と平和 -未来へ向けての取組み-

      

国連大学(UNU)と国連大学協力会(jfUNU)は、2006年12月14日(木)と15日(金)の2日間にわたり、「ジュニアフェローシンポジウム 開発、環境と平和-未来へ向けての取組み」を開催しました。

これは、UNUが実施する各種の人材育成コースを終了し、現在、その成果を生かしながら世界各地で活動している人たちを対象として、さらなるブラッシュアップを行うことを目的に実施されたものです。

参加者はボツワナ、カメルーン、フィリピン、ブラジルなど、世界18カ国から来日した外国人参加者を含めて74名。学生や大学教授、政府関係者、民間企業勤務者、ジャーナリスト等、多彩な面々が東京・青山のUNハウスに集合しました。

シンポジウムはjfUNU矢嶋英敏会長とUNUハンス・ファン・ヒンケル学長の挨拶を皮切りに、JICA理事長緒方貞子氏(元国連難民高等弁務官)が「開発と平和」というテーマで基調講演。自身の経験を交えて「人間の安全保障」の重要性とその方途としての開発のあり方などについて取り上げ、語り終えると参加者からは緒方氏に積極的に質問が寄せられました。

また吉川弘之jfUNU理事長は、平和実現のための科学の役割と国連大学の使命を述べ、「UNU修了生が担うべきものは大きい」と強調しました。

貴重な問題提起に議論が白熱

「ポスターセッション」では、参加者全員が自作のポスターによってUNUで学んだことや、ジュニアフェローシンポジウム2006現在取り組んでいる活動を紹介。一般来場者の方々も、自らの関心あるテーマを取り扱ったポスターの前に足を運んで、作成者の説明に聞き入る姿が見られました。

「UNUで何を学び、今何をし、これから何をするつもりか」と題したセッションでは2日間にわたり、「開発」、「環境」、「平和」の3つのテーマごとに、参加者のプレゼンテーションとそれに基づく討論が行われました。

医師のステラ・ムワタさんは、タンザニアの辺地の村々を周りながら、劣悪な環境の中でHIVウィルスに苦しむ子どもたちの医療と福祉に組織的に取り組んでいる現状を報告。また、国立大学職員として勤務する小嶋薫さんは、世界の平和構築のためには教育システムの充実が何よりも重要であると訴えるなど、プレゼンターの貴重な問題提起に議場では次々と手が指しあがり、熱のこもった質疑が繰り広げられました。

地球規模の課題解決へ貢献を誓う。同窓会の設立も視野に

シンポジウムの総括として行われた2日目のパネルディスカッション。「開発、環境、平和:私達はどう取り組むべきか」として、パネリストと参加者により、今地球上に生起している具体的な問題や事例を取り上げたうえで議論を展開。参加者各人があらためて地球規模の課題解決に取り組む決意を新たにしたようです。

14日の夕刻に開催されたレセプションパーティーでは、関係者とともに各国大使館員やjfUNU賛助会員も交えて約130名余りが出席しました。

来賓の佐藤禎一前ユネスコ全権大使が「皆さんの今後の活躍に期待します」と挨拶。歌やピアノ演奏のアトラクションの中、参加者同士が親しく交流を深めましたが、パーティーの終盤には研修修了生同士が今後も積極的に情報交換をしていこうと同窓会の設立が提案され、盛大な拍手の中で了承されました。

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当日のプログラム

1日目 - 12/14(木)

10:00-10:40開会式
 
10:40-11:40基調講演「開発、環境、平和に私達は今何ができるか」
講演者:緒方貞子JICA理事長
12:40-14:10ポスターセッション
 
14:10-16:30「UNUで何を学び、今何をし、これから何をするつもりか」
発表とディスカッション
16:30-17:30講演:「国際共同研究・研究交流とUNUの役割について」
吉川弘之 財団法人国連大学協力会理事長
18:00-20:00レセプション
 

2日目 - 12/15(金)

10:00-11:30ジュニアフェローズセッション「UNUで何を学び、今何をし、これから何をするつもりか」
発表とディスカッション
12:30-14:00ポスターセッション
 
14:00-16:45パネルディスカッションとQ&A
「開発、環境、平和:私達はどう取組むべきか」
司会:内田孟男(UNU客員教授、中央大学教授)
パネリスト:太田宏(青山学院大学教授)、ジョン・クラマー(UNU学長顧問、上智大学教授)、高橋一生(UNU客員教授、国際基督教大学教授)、参加者から2名
16:45-17:30閉会式
 

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