Get to Know Our Alumni!(1)
JFUNUニュースレター2008年3月号より
アメッド・ナイリさん
同窓会幹事のひとり、アメッド・ナイリさんは、東京・渋谷にあるリビア大使館の二等書記官として多忙な日々を過ごしています。今年1月にリビア副外相が来日した際も、福田首相をはじめ日本政府要人との会談の設定に奔走。また日本で学ぶリビア人留学生のサポートを担当するなど、スタッフ7人のリビア大使館で執務は深夜に及ぶこともあります。
父親が外交官だったナイリさんはスイス生まれ。その後ソマリア、ボツワナ、ナイジェリア等に居住し、世界各国を見聞してきた文字通りの国際人。1989年、駐日大使を務めることになった父とともに、初めて日本にやって来ました。94年にいったん帰国しましたが、98年、国際関係論を学ぶために留学生として再び来日。そして金沢大学大学院の修士課程で、当時指導を受けていた鹿島正裕教授に勧められて参加したのが、国連大学の「グローバルセミナー金沢」。期間は短いながらも、充実した研修内容と多くの参加者との密度の濃い交流に感銘を受け、その後も国連大学の他のグローバルセミナーや「国際講座(International Course)」に参加し、国際紛争や環境、開発の分野を幅広く学んできました。
国連大学での学習や研究の成果を活かしながら、明治大学大学院で「日本の対アラブ外交を規定する政治的・経済的要因分析」という論文で博士号も取得。以降、2005年に開催された愛知万博では、リビアパビリオンの館長を務め、また筑波大学大学院で非常勤講師として「地域研究」を担当していたこともあります。
修了生のネットワークを活性化させたい
そんなナイリさんに「国連大学で得たもの」を尋ねると、「実践的な研修内容を通じて幅広い視野や実務能力を身につけたことはもちろんですが、何よりも優れた研究者・実務家や、国籍・キャリアも異なる多くの人々と知己を得られたことがもっとも大きな財産」とのこと。国連大学で講師として招かれた緒方貞子氏や明石康氏などの国連関係者、羽田孜元首相、小池百合子元環境大臣などの政治家に積極的にアプローチしながら知見を深め、さらに研修コースを通じて築いた仲間たちとの個人的なネットワークが、自分のこれまでの活動に大きく役立ってきたといいます。
2006年4月にTBS テレビの『筑紫哲也NEWS23』が、地球温暖化に警鐘を鳴らすシリーズとして、脱石油エネルギーを目指すアイスランドの先進的な取り組みを放送。この時、国際関係や環境問題に知悉し、日本語も堪能なナイリさんが、故筑紫氏のアイスランド取材旅行をコーディネートしました。そして現地に飛んだナイリさんが協力を求めたのが、2003年の「国連大学国際講座」で共に学び、その後も親交を続けてきたアイスランドの友人テイター・トルケルソンさん(現在、アイスランドでコンサルティング業に従事)でした。
「国連大学の修了生は世界各地にちらばりながら活躍しています。今回設立された同窓会を通じて、そうした修了生のネットワークを活性化させていきたい。それによって国連大学に貢献できることもあるはず。」とナイリさんは語ってくれました。