国連大学大学院サステイナビリティと平和研究科の概要
地球規模課題に取り組み、さまざまな国際機関や国際組織で活躍する人材を育てる
現在世界が直面するグローバルな課題は実に多種多様です。気候変動、平和構築、貧困削減、疾病の蔓延、グローバルな経済危機など、もはや一国では解決できない国境を越えた問題に直面しています。今後ますます、様々なレベルにおける国際協力が重要となっています。
そして、社会・経済のグローバル化が目覚しい勢いで進展する今日、多くの大学が「国際化」に取り組んでいます。その中で、国連の一機関として国連大学も、これまで国連システムや喫緊の地球規模課題に関する最先端の知識や情報を創出し、内外の機関や人々へ普及を図ることによって、グローバル・ユニバーシティとしての役割を果たしてきました。
地球規模課題に関するより高度で専門的な知識は、体系的な大学院教育を通じてもっとも有効に教授することができます。
国連大学では、創設時より大学院レベルの研修活動を各種展開してきましたが、そうした過去の実績に基づき、2009年12月21日の国連総会において、国連大学憲章を改正したうえで、学位授与機能を備えた本格的な大学院プログラムを設置することを正式に決定しました。この大学院では、アフリカをはじめとする開発途上国の諸問題に焦点を当てて教育を行っていく方針です。
国連大学大学院で学び学位を得ることによって、修了生は、地球規模課題の解決に貢献できる能力と機会を獲得することになるでしょう。そして、国連機関や開発援助機関、加盟国政府機関や国際的NGOなど多様な組織で幅広く力を発揮し、未来の地球社会に貢献することが期待されます。
- 名称
- 国連大学大学院サステイナビリティと平和研究科
- 定員
- 修士課程(2年間)入学定員20名/収容定員40名
- 授与する学位
- 修士(サステイナビリティ、開発、平和)M.Sc. in Susutainability, Development, and Peace
- 求める学生像
- ・国連のアジェンダにおける喫緊の地球規模課題、特にサステイナビリティと平和分野の課題に強い関心を抱く人
・学術研究の成果を積極的に政策決定に適用しようとする人
・学際的な見地から、グローバルガバナンスや多国間協力に関する問題解決に貢献したいと強く願う人
UNU-ISPと国連大学新大学院
国連大学は、2009年1月に、東京本部に「国連大学サステイナビリティと平和研究所(United Nations University, Institute for Sustainability and Peace 略称UNU-ISP)」を設立しました。 UNU-ISPは、"サステイナビリティと平和"を総合的な研究テーマにすえ、「サステイナビリティ」を環境分野のみの問題として捉えるのではなく、平和と安全保障の分野にとっても大きな課題であると考え活動を展開しています。既存の国連大学ネットワークとの協力をいっそう強化するとともに、日本国内の東京大学、茨城大学、早稲田大学、国際基督教大学等との協力による学術活動を行っており、また、ガーナのアクラにある国連大学天然資源研究所(UNU-INRA)とのツイン研究所の構築を進め、そこを拠点にアフリカにおいてネットワーク形成を図っていこうとしています。
国連大学新大学院は、このUNU-ISPを基盤として設立されるもので、UNU-ISPの研究成果やネットワークを、大学院教育に積極的に活用していく予定です。